「マンションの電気についてのお話し」H24.8.7NPO法人 助っ人会
昨年来より原発の是非が国内での話題になっており、電気の省エネの重要性が以前にも増して取りざたされています。また関東では電気料金値上げも9月より実施されます。
関西では電気料金値上げの実施は現在のところは無いものの、計画停電の実施が予定されています。マンションの管理においても他人事では済まされない状況です。
このコラムでは大きく分けて、1、電気の省エネ方法と2、計画停電時の対処についてお話します。
1、 電気の省エネ方法について
共用部分に必要とする電気は大きく分けて、
(1) 照明
(2) エレベータ
(3) 揚水(加圧)ポンプに分かれます。
(1)照明の節電には各管理組合においていろいろと対策を講じられていると思いますが、次のような節電方法がありますので参考にしてください。
① 既存の照明器具を更新せず節電を行うには、(イ)管球の間引きを行う(ロ)人感センサーとタイマーを組み合わせて点灯させる。(イ)は工事不要ですが(ロ)については若干の工事を必要とします。
電気代削減に多少のメリットがありますがデメリットもあります。
照明器具を更新しない方法は比較的新しいマンション(築10年前後まで)に有効です。
おおよそ築15年以上のマンションでは照明器具の内部劣化や損傷も多くなり始めるので次にお話しするLED照明器具への更新がお勧めです。
② 既存の照明器具をLED照明器具に更新した場合には、電気代と管球交換費が現在の費用から約30~40%の費用に削減されます(マンションの仕様態様による差異があり)。また更新の工事費が必要となりますが(マンションの規模によりおおよそ50~500万円程度)、工事費は電気代削減費と管球交換削減費によりおおよそ3~10年ぐらいで償却できます。またLED照明器具と上記①の人感センサーとタイマーを組み合わせた方法だとより以上に節電になります。
(2)エレベータの節電については台数にもよりますが、例えばエレベータが2台並んで設置されてあれば朝夕の居住者の出入りの多い時間帯を除いて、昼間は台数制御(1台運転)にする方法があります。一度実行してみたらいかがですか。
(3)揚水(加圧)ポンプは日頃お目にかからないですが意外と電気を消費しますので、インバーター仕様になっているかどうか確認しましょう。不明な時は管理会社に確認しましょう。インバーター仕様であれば高効率のため省エネになります。
(4)その他としておおよそ20年以上古いマンションであれば、共用部分の電気に使用する自家用受変電室の中にある変圧器が省エネタイプの仕様になっているかどうかを点検業者(電気主任技術者)に確認しましょう。変圧器は電気を使用していなくても損失があり、古い変圧器はその損失が大きいため電気代の大きな無駄につながります。
なお事故防止のため、決して電気室には電気関係者以外の人は入らないで下さい。
2、 計画停電時の対処について
これまでは計画停電は行われていませんが、今後万が一実施されるようなことがあれば次のようなことに注意が必要です。
(1) 共用部分の設備に関すること
①エレベータ・・・閉じ込められることがあるので、停電時間の前後は使用しない。
②機械式駐車場・・・入出庫は出来ません。
③駐車場出入口ゲート・・・電気式の場合には開閉できません。
④オートドア・・・機能はせず、インターホンも使用不可。防犯強化が必要不可欠に。
(2) 各家庭の設備に関すること。
①給水・・・揚水(加圧)ポンプ停止のため断水の発生が考えられるので、あらかじめ飲料水の汲み置きが必要になります。
②排水・・・トイレ等の排水用の水も汲み置きをお勧めします。
③冷蔵庫・・・冷凍庫も含めて、保管・保存物にご注意。
④電話機・・・固定電話(電気式)は使用不可。
⑤テレビ・・・使用不可。
⑥パソコン・・・データ等の保管にご注意。
(3) その他の停電時の注意事項
①非常時に火災報知機が鳴らない場合もあります。火災にご注意を。
②ドライヤーやトースターなど家電製品のプラグをコンセントから抜いておくと、復電したときにいきなり作動せず安全ですのでお勧めします。
③携帯電話・携帯ラジオ・懐中電灯の用意をしておくとよいでしょう
『助っ人会』では「無料相談会」を原則月2回行っておりますので、もっと詳しいことをお知りになりたい方はぜひご連絡ください。
また日程等でご都合のつかない方もご連絡いただければ個別にご相談(無料)をお受けいたします。
(松井)
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