Home » コラム » 暴力団排除の管理規約について H25.1.25

暴力団排除の管理規約について H25.1.25NPO法人 助っ人会

category : コラム 2013.1.25 

 国土交通省において、今後の標準管理規約の改正において、暴力団排除の検討がなされるとのことであるが、以下、所見を述べたい。
① 以前、暴力団対策に勝利された某マンションの理事長のコメントに、「長くむなしい戦いでありました。」という言葉を思い出す。達成感・勝利感という言葉は無く、得るものは何もなかったということであろうか。 暴力団対策が如何に困難なことであるかの一面と理解している。
② 「暴力団員による不当な行為等の予防等に関する法律」(以下、暴対法という)は、平成4年3月に施行されている。既に20年を経過している。マンショ ンに関して、その間に被害が無ければ幸いであるが、被害の実害があれば、マンション管理に携わるもの者として、大いなる反省をしなければならないと思わざ るをえない。
③ 私事であるが、私が平成18年に大阪市内の某管理会社のお手伝いをした時には、マンション販売の事業主の重要事項説明書には、次のような記載があった。
「区分所有者は、暴力団(「暴力団員による不当な行為の防止などに関する法律」第2条に規定する暴力団をいう)およびその構成員に専有部分を譲渡または貸与することはできないこと。 また、自ら暴力団の構成員になり、その専有部分を暴力団事務所とし、または対象物件内にて暴力団等と関係のある行為その他公序良俗に反する行為をすることはできないこと。宗教法人・政治結社についても同様に、専有部分を事務所その他活動の場にできないこと。」
この記載により、管理会社では、事業主の重説に従って、マンション管理規約の附則に同様の記載をしていた。この記載の内容で充分とは思えないが、少なくともかなりの抑止効果はあったものと思われる。不動産業界においては、早くから暴力団対策が採られていたのである。
④ 時の流れによる変化は、絶えず注意を払わなければならないが、国の施策を単に待っているだけでは、物事は解決しない。最近では、暴対法適用外の半グレ等もあり、その対応は益々困難になりつつあるのが現状である。
私は、このような場合は、「財団法人マンション管理センター」や「全国マンション管理士会」等が、国に先んじて、速やかに注意、勧告、対処の仕方等を、マンション管理士、管理組合に積極的に助言する役割をもっていると思う。
その対策内容は100点満点の内容でなくとも、かなりの効果はあると思う。 暴力団対策だけでなく、各種の問題点に速やかに対処できるかどうかで、マンション管理士の存在価値が問われるのではないかと思っている。 国の場合は、標準管理規約検討委員会に諮問して、時間を要することと、各委員が現場の実情を把握していなければ、検討課題にも上らないからである。 暴対法施行から、20年を過ぎてから検討するという超スローモーな施策に、我々マンション管理士はどう反応したらよいのであろうか。自ら猛省をしたい。  ( 森川)


コメントフォーム

Copyright(c) 2013 NPO法人 助っ人会 All Rights Reserved.