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公示地価発表 H25.4.4NPO法人 助っ人会

category : ニュ-ス 2013.4.3 

 3月21日付で国土交通省より2013年度の公示地価が発表された。それによると、5年連続の前年割れだが下落率は前年の2.6%から1.8%に縮小したと報じられている。また日経新聞では、「都市部で上昇相次ぐ」とか「デフレ脱却の期待から不動産に資金が流入しており、地価の潮目は変わりつつある。」と大々的に報じた。

はたして、この記事を見て半世紀近く前に始まり20年余り前に弾けた土地バブルが再び起こると信じる人が何人いるだろうか?まわりの現実を見ると、マンションにおける空き家や賃貸物件の増加、また高齢化にともなう管理不足によるスラム化が社会問題となりつつある。昭和40年代に建設された多くの団地でこの現象が昨今顕著となっている。あるレポートでは、2008年13,1%であった全国平均の空き家率が2028年には23,7%に上昇する(富士通総研 米山秀隆氏)との試算もある。今後は住宅の新規着工件数を抑えていかなければこのギャップはさらに大きくなる。

次に4月3日付け日本経済新聞の「時事解析」“土地デフレの構図”というコラムで編集委員 太田康夫氏の記事が今後の地価の推移を暗示しているように思える。その内容は、東京23区内においても2014年から3年間で100万㎡を超えるオフィスビル供給が見込まれる。しかし新規事業で新たにビルを借りようとする需要は限られ、耐震性向上を狙う移転組が大半である。当然の結果として、中古ビルの供給過剰となり、賃料の下落から不動産価格の下落へとつながる。また、大手電機メーカーのソニーやパナソニックは、相次ぎ大型ビルを都内で売却している。弱電は大阪府下や関西一円に多くの不動産を抱える。業界の不況が長引けば広大な敷地やビル等の不動産売却が増加する。さらに、他にも工場の海外シフトに伴う国内の空洞化で、遊休工場用地を抱える企業も多く今後処分売りが増加する。空洞化に歯止めをかける事が出来るか否かが、不動産市場の成長を占うカギだと結論付けている。

冷静に考えて、日本国内でこれから企業が土地を買って、オフィスビルや工場を建てるかといえば誰しも首をかしげる。大阪市内や兵庫県下でも少し中心部を離れると農地や遊休地がまだまだ多い。マンションの建設用地は今後いくらでも出てくる。長期的に見て個人的には公示地価の下落傾向は今後も止まらないように思う。消費税率アップ前の駆け込み需要と言われているが、マンションや不動産を買うのはそんなに慌てる必要はない。不動産の堅調な推移は、アベノミクスの効能が効いている間の一時的な現象にならなければと願っている。
(松山 秀明)


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